厚生労働省の行った国民生活基礎調査によると、脳血管疾患や高齢に伴う足腰の弱り、転倒骨折などが理由で、介護が必要になった方が多いことがわかりました。転倒骨折は、住宅環境に起因する部分も多く、手すりの設置や段差の解消などの工夫が、早い段階でなされていれば事故は防げていたかもしれません。
高齢になると、自分で思っているよりもつま先が上がっていなかったり、小さな段差に気付かなかったりします。 階段や玄関などの大きな段差よりもむしろ、トイレの出入り口や浴室の出入り口、敷居といった小さな段差に、気を配ることが大切です。
また、トイレや浴室は狭い割に、衣服の着脱、体の方向転換、立ち座りの動作などといった多くの動作が必要な場所です。(例えば身体にマヒがある方などはバランスを崩しやすい。)あらかじめ手すりを設置することで、身体を支えてあげるとよいでしょう。
さらに、安全に住宅の中を移動するには、廊下に手すりを設置したり、万一車いすが必要になった場合でも移動しやすいように、扉の有効開口にゆとりをもたせたりすることも必要です。
すでにご紹介したように介護が必要な方が、より安心で快適な在宅生活を送るためには、住環境の整備は欠かせません。 お話を伺った、福祉アクセサリー販売企画を担当する山澤さんの話では、「介護が必要な方の場合、身体状況によっては、手すりや段差の解消といった住宅改修だけでは対応できないケースも多く、住環境の整備と併せて福祉用具の有効利用が効果的です。」とのこと。
TOTOさんでは「安全に使えて、住宅改修でも扱いやすい製品」と併せて、「自立支援・介護軽減のための福祉用具」の両側面から、介護が必要な方・そのご家族・施工に携わる事業者などからの幅広い声を基にした商品開発を行っています。
まずはお手洗い。
排泄時の姿勢が安定しにくい方には、はねあげ式の肘掛と背もたれをセットにした【トイレ用手すり】を用意しています。
普段使用する椅子には、背もたれや肘掛があるのは当たり前。当然トイレでも肘掛や背もたれがあったほうが、姿勢は安定します。 設置も、床に固定するだけなので、大掛かりな工事は不要です。 リウマチの方や足腰が弱くなった方の場合、中腰姿勢が大変になるため、ばたんと便座に座りこんでしまったり、立ち上がれなくなったりすることがあります。
トイレリフトなら、便座が上下して立ち座りをサポートしてくれます。 また、ご利用になる方の身体状況にあわせて、斜め昇降、垂直昇降と、昇降経路を変更したり、肘掛を設置したりすることもできます。
出入口にも、車いすでアプローチしやすい、3枚連動引戸や開き戸と引き戸の長所を取り入れた引込み戸など、介護のしやすさを考えた扉をご用意しています。
次に浴室。
浴室は床が濡れていることもあり、非常に滑りやすい空間です。
特に浴室への移動は、乾いた場所から濡れた場所への移動となるため、一歩目が滑りやすく、注意が必要です。 床材への配慮は言うまでもありませんが、出入り口に手すりを設置したり段差をなくしたりと、安全確保も重要となります。
最近では、システムバスの普及により、段差のない浴室が多くなっていますが、段差のある浴室の場合、すのこを使って段差をなくす方法などが考えられます。 TOTOさんの開発した浴室すのこなら、段差解消はもちろん。表面が滑りづらく、しかも乾きやすいカラリ床を採用しているため、転倒防止にもなります。
次に浴槽への出入りですが、立ったままで浴槽をまたぐとバランスをくずしやすいため、座った姿勢で浴槽に出入りすると安全です。この様な場合、バスボードやトランスファーボードなどの福祉用具を活用すれば、腰掛けての入浴が可能となります。 それでも不安という方は、バスリフトを使用すると、より安心して入浴することができます。
浴室までのアプローチが大変な方の場合、【水まわり用車いす】という水まわり兼用の製品をおすすめします。 こちらの車いすを利用すると、車いすに座ったままトイレに進入し、排泄することもでき、又シャワー浴も行うことができます。
今年発売した水まわり用車いす6輪タイプでは、後輪を体の重心近くに配置することで、小回り性を向上させ、さらに可動式の補助後輪により7cm以下の段差であれば、てこの原理を応用して段差が乗越えられる仕組みになっています。
一口に住宅改修や福祉用具の利用といってもお客様の状況は千差万別。
改修内容や商品選定を間違えば使えないものになってしまいます。
そのためにもお客様の声を聞くことはもちろん、ケアマネージャーや理学療法士、福祉用具専門相談員といった関連する方との連携を行って安心して生活できる環境作りをしていきましょう。