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■どんな家が危ないのか?
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高度経済成長時に大量生産された建売住宅が最も危険
さて、1978年の宮城県沖地震、1995年の阪神淡路大震災など、高度経済成長期以降の大規模な震災体験を経て、日本では、建築物の耐震性能に対する意識は高まりました。また、2005年の「耐震強度構造計算書偽装事件」(いわゆる姉歯事件)も、社会の耳目を集めました。しかし、兵庫県明石市の一級建築士・松尾和也氏(有限会社松尾設計室 代表取締役室長)は、次のように指摘します。
「特に40年前から20年前に建売住宅として建てられた木造住宅には粗悪なものが多く、姉歯マンションより危ないと思われる住宅は沢山あると考えられます。現に阪神大震災では、そのような建物の被害が非常に多かった。その年代に建てられた戸数が多いことと、いい加減な設計、及び施工をしている割合が高かったことが、この世代の木造住宅に被害が集中した原因だと考えられます。」
“大地震が来ても壊れないこと”
“30年くらいでは使用不能にならないこと”
これらの条件はもはや当たり前の時代であるとの認識のもと、松尾氏が設計を手がける新築住宅ではどのような案件であれ、必ず許容応力度計算(現在の法律では2階建てまでの木造住宅では免除)をもとに設計していると言います。また、全棟、品確法で定められた耐震等級(※1)の等級3以上を確保することを原則として設計していると言います。
しかし、これらは新築住宅にあてはまることであり、前述したような現在の基準法で定めた耐震基準にさえ満たない住宅の場合はどうすれば良いのでしょうか?
まずは耐震診断
総務庁が2003年にまとめた『住宅・土地統計調査』によれば、1980年までに建てられた木造住宅は、全体の約50%を占めていました。その全てが「欠陥住宅」であると断じるわけには行きませんが、新しい耐震基準で建てられた1985年以降の住宅でさえ、阪神淡路大震災ではその25%以上の住宅が倒壊または大破・中破していると言うのですから、旧基準法のもとで建てられた住宅の耐震性能の脆弱さは推し量れます(注2)。
1980年以前に建てられた住宅については、自治体が行っている無料耐震診断を受けることが出来ます。細かい条件は、各自治体によって異なりますので、所轄の自治体の相談窓口を訪ねてみてください。
この無料耐震診断は、各自治体が設計士に委託して行われていますので、民間業者による「無料」耐震診断とは違い、安心して頼めます。しかし、そこで行われる診断方法は、設計上の間取り、経年劣化等目視可能な項目から強度を推定するというものです。これについて、松尾氏は次のように話します。
「そのような診断の結果に基づいて、弱い箇所を補強するだけでも安全性は高まります。しかし、決して精度の高い方法ではありません。構造というものは解体してすら分からない点があるからです。そこで、最近注目されているのが“動的耐震診断”です。これは、実際に建物を揺らしてその強度を計測するという方法で、推測による方法より無駄なく確実な耐震補強ができるので非常に有効な方法です。」
この“動的耐震診断”を行える事業者は少なく、また、コストも10万円から20万円と比較的高くなりますが、リフォームでは着工してはじめて、問題が顕在化して追加発注をすることが珍しくありません。結果的に費用が高くついたり、工期が長引くことを考えれば、決して損ではないと言えます。
※本文中写真提供;有限会社松尾設計室様 |
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